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執筆者の写真Waichiro Sasaki

Nikon z14−24f2.8を早速レビューしてみた話。

更新日:2021年1月24日

こんばんは。佐々木です。


今回は先日Nikonさんから発売前にお借りした

「z14-24f2.8」をレビューしてみます。



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【はじめに】


Nikonユーザーなら誰もが知る「f14-24f2.8」


13年ほど前のFマウントレンズですが、今もなお多くのユーザーに愛されている「神レンズ」です。


佐々木も5年前に風景写真を始め、その半年後にフルサイズD750を購入した際、このレンズも一緒に購入し、4年ほど愛用していました。


当時貧乏大学生だった佐々木がバイトを3つ掛け持ちし、必死で稼いだバイト代を全部注ぎ込み購入しました。


食費をレンズに使いました。


肉がレンズに変わりました。

米がレンズに変わりました。


それくらい魅力のあるレンズなのです。


そんなNikonFマウント最強レンズの14-24を超えるレンズが今年、やっと出ました!

最初に言っときます。


「z14-24f2.8」は「f14-24f2.8」を超えてます!


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【外観】


まずは外観の比較から。



①コンパクトな外観


「f14-24f2.8」・・970g,φ98mm×131.5mm

「z14-24f2.8」・・650g,φ88.5mm×124.5mm


(画像参照:Nikon HP)


重さ、大きさ、レンズ口径、全てにおいてコンパクト化に成功しています。


f14-24と比べると雲泥の差ですね。



参考までにz14-30f4との比較画像も載せておきます。



「z14-30f4」・・485g,φ89mm×85mm

「z14-24f2.8」・・650g,φ88.5mm×124.5mm


沈胴式を採用している14-30と比べると収納時の長さの差はありますがテレ端で比べてみると、長さの差は少し解消されます。




②出目金からの卒業


z14-24はf14-24の最大のネックであった出目金レンズから卒業しています。


出目金レンズって扱いにくいですよね。


少しの移動も必ずフードを被せないと前玉を壊しちゃいそうで・・


z14-24はそのストレスさえ無くなります。


(画像参照:Nikon HP)



③円形フィルターが使える


出目金レンズのデメリットの1つとして円形フィルターが使えない事が挙げられます。


出目金レンズでフィルターを使用するには、一般的に150mmの角形フィルターが必要になります。


ですが、150mm角形フィルターは数枚揃えるだけで軽く10万超える世界。


今では角形フィルターが幅広い世代に普及していますが、4~5年前はまだあまり普及していませんでした。


z14-24はそんな悩みも解消してくれます。



付属している2種類のフードの一つ、HB-97を使えば円形フィルター(112mm)が使えます。


フードにフィルターをねじ込んで使います。


フィルターを付けたままもう一つのフードに付け替えれるのは便利でした。


(画像参照:Nikon HP)



ただ、フィルターサイズが112mmと大きいので値段も高額になります。


写真に写っている円偏光フィルターII 112mmは8万7000円します。


これは正直少し高い(笑)


K社やN社などのフィルター専門メーカーならもう少し安く販売するでしょう。


ちなみに上記2つのフィルターメーカーからは既にz14-24対応の100mm角形フィルターセットが販売されてます。


150より価格も安く、小さい100システムでもイケるのは非常に助かります。


(画像参照:Nikon HP)


ちなみに、リアフィルターも使えます。



④使いやすさが向上


絞り値、撮影距離、被写界深度などの情報を確認できるレンズ情報パネルが搭載されています。


(画像参照:Nikon HP)


さらに、ボディーのFn1/Fn2ボタンと同じように好みの操作を割り当てられるL-Fnボタンにより操作性の向上が実現しています。


(画像参照:Nikon HP)


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【性能面】


それでは気になる性能面を比較していきましょう。


今回は風景写真撮影に重要視される

・逆光耐性・周辺画質

この2点をメインに見ていきます。



まずはMTF曲線の比較から。


※MTF曲線とは↓


ざっくり説明すると、図の縦軸方向の上(数値1付近)に線があるほど高コントラストでシャープ、横軸方向になっても、変わらず高さを維持していれば、それだけ画面周辺でも画質を維持できているということです。


赤色の線(低周波10本/mm)はコントラスト(明暗部の表現力、ヌケの良さ)の指標で、青色の線(高周波 30本/mm)は解像度の指標です。


(画像参照:Nikon HP)


上記の二つのグラフから「z14-24f2.8」と「f14-24f2.8」の開放値2.8、ワイド端14mmで比較してみましょう。


まずはコントラストに関してですが、赤い線を見てください、z14-24の上にベタっと張り付くような線を。


中心から周辺にかけて、ほぼコントラストは落ちていません。


解像度に関しても中心から周辺にかけて、特にS:サジカル方向は全く落ちること無し。


f14-24のグラフと比べてみると、雲泥の差ですね。


中心部を見るとコントラスト・解像度ともに両者素晴らしい数値ですが、周辺にかけてf14-24はコントラスト・解像度ともにかなり低下しています。


つまり、z14-24は開放でも四隅までシャープに写るということです。


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まぁ、そうは言っても、MTF曲線はあくまでも指標。


「論より証拠、作例を見せろ。」


そんな声が聞こえてきそうです(笑)


ここからは作例を交えて紹介していきます。


(発売前の時期に撮影したデータなので、いつものLightroomでの現像は行っていません。簡易的な露出・色味の調整を施した、あくまで「作例」ということをご理解ください。)


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【周辺画質】


まずは周辺画質の比較から。


①まずはz14-24とf14-24を同じ画角、設定で統一し画質の比較を行います。


(撮影・掲載許可済み:福岡市博物館正面玄関)


今回はz7ⅡとD850の14mm,開放値f2.8で比較しました。


(ボディの大きさに差があるため若干の構図のズレあり)


(左:z7+z14-24f2.8 右:D850+f14-24f2.8)


互いに撮って出しの状態で、左隅を拡大してみると・・・・


ナニコレ、圧倒的じゃないか・・・


右のf14-24のデータは解像感の低下はもちろん、ハイライト部にパープルフリンジも発生しています。


左のz14-24はMTF曲線通り、開放から四隅までキレキレでした。


これにはビックリしたYO・・・


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②次はz14-24とz14-30を同じ画角、設定で統一し画質の比較を行います。


zマウント広角レンズ対決ですね。



今回は自宅で新聞紙を使って比較を行います。


撮像面を極力フラットにした状態で比較してみましょう。


今回はお互い14mmで、14-24はf2.8で、14-30はf4のそれぞれ開放値で比較しました。


(左:z7+z14-24f2.8 右:z7+z14-30f4)


14-24の方が2.8なので、14-30のSSを少し長くし、どちらも同じようなヒストグラムになるように調整して撮影しました。


でも、若干14ー30の方が暗いですよね。

理由は周辺減光です。


14-30は良いレンズですが周辺減光が目立ちます。


周辺減光はレタッチで補えるのですが、無いに越したことはないですね。



さて、肝心な周辺画質ですが、やはり今回もz14-24の方が優れてますね。


z14-30もf14-24よりは解像していますが、やはりz14-24には及ばないようです。


特に「レジかごバッグ」「ノロウイルス」の記事周辺の画質の差はわかりやすいですね


個人的に、「新春すてきな奥さん」の広告が気になりました(笑)




14mmで撮影しています。



四隅の葉っぱまでビシッと解像しています。


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③次はz14-24の収差についてです。


僕は星景をメインに撮ってるあまり詳しくないですが、気にする人は敏感になるジャンルですね。


星撮影する際、使うレンズによってはどうしても四隅に収差が発生してしまい星が綺麗な点にならない場合があります。


改善策としてはF値を絞るなどが挙げられますが、もちろん絞れば露出が下がり、ISOをあげたりSSを長くしたりするしかありません。


(z7Ⅱ+z14-24f2.8 ISO8000,SS8秒,F2.8)


上記の設定で撮影したデータの四隅を拡大してみましょう。



開放で撮影してますが、コマ収差や非点収差なども見られず、しっかりとした点像になっています。


これは星景メインのカメラマンからも高評価を得られるのではないでしょうか。


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【逆光耐性】


次は逆光耐性です。


風景写真を撮る上で、逆光は避けて通れません。


僕も夏の時期は光芒をよく撮りに行くので、逆光耐性は気になるポイントです。



今回はz7+z14-24f2.8とD850+f14-24f2.8で比較しました。


まずは開放値f2.8での比較です。


左がz14-24f2,8・右がf14-24f2.8

(どちらも三脚固定、14mm、開放値f2.8)



f14-24の方は太陽の下、画面中央と画面下部の道のところに大きめのゴーストが発生しています。


それに比べ、z14-24の方には全くゴーストが発生していません。



では、次に絞った状態での比較です。


左がz14-24f2,8・右がf14-24f2.8

(どちらも三脚固定、14mm、f10)



F10まで絞った状態で比較しました。


f14-24の方では太陽の周り、中央、下部と何カ所もゴーストが発生しています。


それに比べ、z14-24の方には今回も全くゴーストが発生していません。



・z14-24は逆光耐性もかなり向上していました!


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【光条の形】


絞った時の光条の形も気になりますね。



f14-24の光条です。


先端にかけて細く伸び、長さも不規則です。



z14-24の光条です。


先端にかけて細く伸び、長さも均一で綺麗です。



z14-30の光条です。


先端にかけて太く伸び、長さは均一です。



個人的に14-30の光条も嫌いじゃないですがz14-24の光条は綺麗ですね。


ぜひ、参考にされてください。


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【作例】


最後に数枚、作例を載せておきます。


先にお伝えした通り、簡易的な露出・WB調整のみ施している状態です。


z7Ⅱ+z14-24f2.8,14mm,f11,SS1/25,ISO250

手持ち撮影 円偏光フィルターⅡ使用

z7Ⅱ+z14-24f2.8,14mm,f9,SS1/160,ISO64

手持ち撮影

z7Ⅱ+z14-24f2.8,18mm,f11,SS1/15,ISO250

z7Ⅱ+z14-24f2.8,21mm,f5.6,SS1/15,ISO80

手持ち撮影

z7Ⅱ+z14-24f2.8,24mm,f11,SS1/3,ISO64

手持ち撮影

z7Ⅱ+z14-24f2.8,24mm,f6.3,SS1/30,ISO200

手持ち撮影


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【まとめ】


長々と書きましたが、外観、周辺画質、逆光耐性と全ての面においてf14-24を超えていることがわかりました。


個人的にz14-24は「新・神レンズ」と言っても良いと思います。



肝心な価格ですが、2020年12月末の市場価格で


・f14-24f2.8・・・・約21万

z14-24f2.8・・・・約28万

・z14-30f4 ・・・・約14万


やはり、そこそこのお値段します。



新旧大三元の価格差は7万ですが、あの画質の差を考慮するとz14-24一択ですね。


14-30もコスパは良いですが、z14-24は星も撮れるし開放からキレキレで撮れてオールマイティの活躍をしてくれます。


僕は今、z14-30を日中用、z20f1.8を星用に2本の広角レンズを使用してるんですが、これを機に1本で昼も夜もイケるz14-24に入れ替えようかなと思います。


z14-24f2.8、最高のレンズでした!

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